2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「未来」2006年5月号(No.476)

ジャック・デリダ「エコノミメーシス」の、松浦寿夫さん評が掲載されてます。本のほう読んでないのでこの書評は紹介文として読むことにして、以下の点気になる。 ・書評の前半と後半のつながりが薄い。カント「判断力批判」のパレルガを介して前半の「表層云…

ベルトルト・ブレヒト 「三文オペラ」

千田是也訳のほうを読んだ、有名な戯曲だからという理由のみが動機。正直、面白いかどうかよく判らない。初演の1920年代ドイツの文化状況を理解していたほうが面白いのだろうと思うが私はそれに詳しくなく、またオペラや演劇そのものに普段からあまり馴染み…

ソポクレス「オイディプス王」

アンチゴネーが同時収録されてるのは新潮文庫のほうだった…。でもオイディプスも久し振りに読んでやっぱり面白い。岩波文庫は重宝だ、ていう感覚の裏付けってこういうことだ。 解説に大きく頷く箇所あり。有名なスフィンクスの謎掛け(←謎を解いて退治したの…

ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」

凄いイイ!!!この本の評判もう10年以上前から聞いてたのに、何で今まで読んでなかったんだバカじゃないか?いやだいたいにおいて海外ミステリ探す時に文春文庫の棚はあまり見ない上、この本はペーパーバック・ミステリとしてはボリュームがありすぎたんだけど…

ノーム・チョムスキー「9・11-アメリカに報復する資格はない!」

9・11を安易にグローバリゼーションへの脅威、て感じに一般化してしまってたことに反省。ワールド・トレード・センターがグローバル資本主義の墓標になったのはテロ行為があってこそだったし、何より犯人サイドはそのテロ行為が、アメリカ政府への政策批判に…

アゴタ・クリストフ「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」

第二次世界大戦下のハンガリー(と思われる)での、ある人物の少年期から老年期までを書き記した小説。3冊同時に読んでもそれほどのボリュームでなく(計6時間くらい?)一気に読んで良かった。さすがはHatenaQuestionでよく推薦されてる小説だけあって良書…

フィリップ・ラクー=ラバルト/ジャン=リュック・ナンシー「ナチ神話」

ナチによる民族意識高揚がどのように起こったのかを考察した本。100ページに満たない。ナショナリズムの宣揚にはしばしば神話が使われる。太平洋戦争における靖国神社を思い浮かべると理解しやすい、戦死し英霊として祀られること。神話が模倣され(ミメーシ…