2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ステファヌ・ナドー「アンチ・オイディプスの使用マニュアル」

Stéphane Nadaud「Manuel à l'usage de ceux qui veulent réussir leur (anti)œdipe」 ナドーは、ガタリ「カフカの夢分析」で編者を務めた人として記憶していた。ポップ心理学popsyを批判した箇所は興味深い社会分析になっている。また「アンチ・オイディプ…

ジョルジョ・アガンベン「イタリア的カテゴリー」

Giorgio Agamben「Categorie italiane. Studi di poetica」 (「神曲」のイタリア語タイトルを直訳すると「神聖なる喜劇」となるが、)……ある本質的な問題に向かい合う姿勢を示している。つまり、神の正義を前にした人間の有罪と無罪という問題である。ダン…

サラ・ウォーターズ「半身」

Sarah Waters「Affinity」 日本でもベストセラーになっていたが、そりゃ確かに面白い。 ミステリというのは、登場人物や語り手(マーガレット・プライア)よりも早くに真実に気がついたら、そこから先はスリラーとして楽しむことになる。今回は、後ろ40%を…

ロラン・バルト「明るい部屋」

Roland Barthes「La Chambre claire」 「肖像写真」は、もろもろの力の対決の場である。そこでは、四つの想像物が、互いに入り乱れ、衝突し、変形し合う。カメラを向けられると、……奇妙な行動であるが、私は自分自身を模倣してやまないのである。だからこそ…