2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャン・ジュネ「シャティーラの四時間」

Jean Genet「Four Hours in Shatila」 その時だった。家から出ようとする私を、突然の、ほとんど頰を弛ませるような軽い狂気の発作が襲った。……死者は男女とも皆イスラーム教徒なのだから屍衣に縫い込まれることになる。これだけの数の死者を埋葬するには、…

マルティン・ハイデガー「存在と時間(下)」

Martin Heidegger「Being and Time」 ……<ひと>は決して死にません。なぜなら、死がいつもわたしの死であり、本来的には先駆的覚悟性においてだけ、実存的に了解されるかぎり、<ひと>は死ぬことができないからです。決して死ぬことなく、終りへの存在を誤…