2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大江健三郎「水死」

自分が生をどうにか生き延びていくなかで、ふと大江がそばにより添ったことがあった。その時もやはり転回点を迎えていた。「個人的な体験」を読み進めることができない状況に陥り、わたしは、作中で大江に該当する人物がしたのとまったく同じく、床にただ茫…

野坂昭如「少女M」

……「御指名はございますか」「ない」女たちはみなうつむいていて顔は判らない。西洋人を指でしめした。毛唐女が好きなわけじゃない、本を読んでいたからだ。 …… 部屋へ戻り、ベッドに横たわると、やはりフェラチオにとりかかった。 「いや、それはいい」 「…