2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

フェルナンド・ペソア「ペソア詩集」

Fernando Pessoa ぼくはなにであったのか 自分を見出したとき ・・・・・・・・・・・・・・Fernando Pessoa ぼくはすでに失われていた ぼくは苛立ってぼくの許を去った 否定されたことになお固執する 狂人の許を去るごとく わたしが死んでから 伝記を書くひ…

ジョルジョ・アガンベン「瀆神」

Giorgio Agamben「Profanazioni」 帯文にこう書いてある、「仕上げたばかりのこの小さな書物において、わたしは自分にとってたいへん重要な主題について、可能なかぎり明確に述べたのです。」神への冒瀆というこのタイトルと、本のサイズが聖書に似ているの…

ジャック・ランシエール「民主主義への憎悪」

Jacques Rancière「La haine de la démocratie」 民主主義はその大前提として人間がみな平等であるが(共和主義においては平等は獲得されるべき目標でしかない)、そのことに対しては根本的な憎悪感がつきまとう。私生児や妾腹の子供に対する差別感情はもち…

舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日(上)(下)」

ふはははははははははは!ガッデムディスコシット。みたいな不敵な元気さが舞城くんに戻ってきて、超よろこばしい限りです。「新潮」での連載が終わってからもう1年以上でしょ待ったよ〜と思ったら下巻まるごと書き下ろし。迷子探し専門の米国人探偵・Disco…

二ノ宮知子「のだめカンタービレ(20)〜(21)」

祝・処女喪失。…って、イヤめでたくないなこれは。

ジョルジョ・アガンベン「幼児期と歴史ー経験の破壊と歴史の起源」

幼児期なんていう日本語だとずいぶん狭義になってしまうけど、インファンティア=言語活動の無い状態とそれによって産出される新たな歴史について述べた本。現代においては経験が破壊され剥奪されてしまって(卑近な例で言うと、周りの人に質問をする中で実…

ジョルジョ・アガンベン「残りの時ーパウロ講義」

新約聖書・パウロ書簡の註解書。「ローマ人への手紙」などに含まれる語彙そのものや、思想のありかたと変遷を、彼の依って立つ思想的立場から詳細に論考している。時間に関する考察が秀逸、ハイデガーとベンヤミンが主な参照元。自らの時間表象を把握するた…

永井荷風「墨東綺譚」

ひとやすみ。永井荷風と聞いて「四畳半襖の下張」をまっさきに思い出すとは、私は相当腐ってます。エロが属性って訳じゃないんだね。