2012-01-01から1年間の記事一覧

ジークムント・フロイト「自我論集」

Sigmund Freud ・欲動とその運命 ・抑圧 ・子供が叩かれる ・快感原則の彼岸 ・自我とエス ・マゾヒズムの経済論的問題 ・否定 ・マジック・メモについてのノート 以上を収録。「快感原則の彼岸」の幼児の糸巻の遊びの部分をふときちんと読みたくなった。 ………

ジョルジョ・アガンベン「到来する共同体」

Giorgio Agamben「The Coming Community」 普遍的なものと個別的なもののアンチノミーを逃れているひとつの概念がずっと前からわたしたちによく知られていた。見本[esempio]という概念がそれである。見本がその力を発揮するどんな領域においても、見本の特徴…

スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」

Stanislaw Lem「solaris」 ソラリスが発見されたのは私が生まれるよりも百年も前のことである。この惑星は赤と青の二つの太陽のまわりをまわっている。発見されて以来四十年以上もの間、この惑星に近づいた宇宙船は一つもなかった。当時にあっては、二重星を…

ジャック・ラカン「エクリ2」

Jacques Lacan「Ecrits」 だからこの大きな団体に持続する統一力は、ポーの天才が「ヴァルドマール氏の場合」という怪奇小説でわれわれに考察を求めている、特異な想像力を思わせるのである。 その男は、臨終に際して催眠術をかけられ、死骸を維持したまま死…

ジャック・ラカン「エクリ1」

Jacques Lacan「Ecrits」 ・論理的問題 刑務所の所長が三人の囚人をとくに選んで出頭させ、次のような意見を伝えた。 「きみたちのうち一人を釈放することになった。その理由はいまここで言うわけにはいかない。そこで、もしきみたちが賛成するなら、この一…

ミシェル・フーコー「監獄の誕生」

Michel Foucault「Discipline and Punish: The Birth of the Prison」 ……、<近代的な>法典の立案もしくは起草、……明確に述べられた普遍的な法典や整理統合された訴訟手続規則をふくむ制度上の大変革と、この身体刑の消滅とを比較した場合、それの重要性は…

ジョルジョ・アガンベン「事物のしるし 方法について」

Giorgio Agamben「The Signature of All Things: On Method」 美的判断で考えられる必然性としては、必然性はただ範例のかたちでしか定義されえない。つまり、提示することのできない一般的な規則の範例として見なしうる一つの判断に全員が合意するという必…