2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート「マルチチュード(上)」

ネグリが来日できないことになった。彼がイタリアで実刑判決を受けていたことが、公安上嫌われたらしい。皮肉なものだ、マルチチュードの自由な移動が、<帝国>によって一時撤退を余儀なくされたとは。彼の来日はおそらく「延期」なのだろう、さもなくば彼…

ジョルジョ・アガンベン「アウシュヴィッツの残りのもの―アルシーヴと証人」

アウシュビッツ収容所の生存者による証言について書いた本。 アウシュビッツの大量虐殺が神聖化されることを彼は非常に危惧してて、彼は、「ホロコースト:丸焼きの犠牲」「ショアー:神の罰による壊滅」という言い方を採用しないことに決める。つまり、そこ…

アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート「<帝国>」

本文だけで500ページ、厚さ4cmの大著!第一部で公安・警察・国家、第二部でポストコロニアリズム・ポストモダニズム、第三部で政治・経済、それぞれについて<帝国>を考察し、第四部で結という構成だ。第一部と第二部が最近読んでる分野と地続きになってた…

中沢新一「ゲーテの耳」

軽い。軽やかです。 中沢新一は少なくともこの本では、西洋哲学を思考のツールとして用いていない。「アースダイバー」でもそうだった気がする。例えばエリアーデも中沢と同じくインド地域の宗教を研究しているけど、彼は、マルクスやヘーゲル等の西洋哲学を…

オノ・ナツメ「LA QUINTA CAMERA 5番目の部屋」

箸休めにコミックです。ネグリさん読み始めた。一緒にデングリしたいんだもん。http://www.negritokyo.org/

フラナリー・オコナー「フラナリー・オコナー全短篇(下)」

短篇集(上)は「A Good Man Is Hard to Find」を中心に、信仰の不在をモティーフとした作品が集められていたけど、(下)は「Everything That Rises Must Converge」を中心に、自意識の崩壊を扱ったものが多い。 「すべて上昇するものは一点に集まる」は、…