2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ロビンドロナト・タゴール「迷い鳥」

Rabindranath Tagore「Stray Birds」 夏の迷い鳥が、わたしの窓にきて、うたをうたい、飛び立つ。 そして、秋の黄ばんだ木の葉が、うたうでもなく、吐息まじりに舞い散る。 Stray birds of summer come to my window to sing and fly away. And yellow leave…

ジル・ドゥルーズ「フーコー」

Gilles Deleuze「Foucault」 読みながら何よりも思ったのは、ドゥルーズはフーコーのことが本当に好きだったんだな、ということ。本文中で何回もドゥルーズはフーコーの論考のそれぞれを「美しい」という主観的なことばで賞賛する。物語でもないし形而上学に…

J.M.クッツェー「敵あるいはフォー」

J.M.Coetzee「FOE」 スーザン・バートンという名の英国人女性が、未開の島地に流れ着く。彼女は、連れ去られた娘を追ってブラジルを捜索したものの手掛かりがつかめず、2年振りの帰国を果たすためにリスボンに向けて航海中だった。ところがその船が乗組員に…

斎藤美奈子「趣味は読書。」

読書ファンは多かれ少なかれベストセラー本を馬鹿にしている。「あるのは知ってるけど、読んでませんよ、そんなもの。」時間と金の無駄でしょう、愚民どもが読んでればいいのよ。書棚にさしといたら恥ずかしいわい。「光に向かって100の花束」「頭がいい人、…

ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ「フェルディドゥルケ」

Witold Gombrowicz「Ferdydurke」 永遠の青二才、か……性格の不一致としか言いようがない。これほど読破に苦労したのは記憶にない。

W.G.ゼーバルト「土星の環」

Winfried Georg Sebald「The Rings of Saturn」 ……私たちは荒寥とした音もないこの八月について話した。何週間も鳥の影ひとつ見えない、for weeks there is not a bird to be seen, とマイケルが言った。なんだか世界ががらんどうになってしまったみたいだ。…