2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

西尾維新「不気味で素朴な囲われた世界」

最近おカタい本ばっかり読みすぎてたー、ってライトノベル読むとちょっと反省します。 3年前に読んだ「きみとぼくの壊れた世界」と緩くつながってる続編。クソッ、シリーズ化しないだろうと思って選書してたのに。病院坂黒猫ちゃんを再登板させたのがせめて…

ベルンハルト・シュリンク「朗読者」

友人と書店に行って推薦してもらいました。今まで勝手に彼に倣ってコレットと梨木香歩を読んでるのですが、気質が違いすぎるのかうまいこと本の世界に入り込めなかったんだけど、ようやくオーケイな接点を見つけたよ。 主人公ミヒャエルは少年時代に、年長の…

P・D・ジェイムズ「女には向かない職業」

中学生の時の初読以来もう何回も何回も読んでるミステリだけど、今回はじめて、自分が何故コーデリア・グレイに親近感を抱いてきたのか判った気がした。彼女の持つ孤独さが、私のそれと似ているからだ。自分の考えていることと自分の言動との差がひらけばひ…

シェンキェーヴィチ「クオ・ワディス(下)」

創造的な拷問というのが存在するのだ。以前に舞城くんが「煙か土か喰い物」で、奈津川次郎が少年時代におこなう凄まじい虐めを「創造的、芸術的」と表現していたのを思い出す。犬の×××を口で×××して食いちぎって飲み込ませるの??エエエ???私も何か残虐…

シェンキェーヴィチ「クオ・ワディス(中)」

皇帝ネロの時代のローマ歴史小説。 恋愛小説の体裁で物語が進行するけど、まだ普及しはじめたばかりのキリスト教と、アポローンを賛美する思想とが、きれいに対比して描かれててそれが面白い。ジジェクを読んだ後だと、というより信仰と距離をとったフロイト…

シェンキェーヴィチ「クオ・ワディス(上)」

その人のことが知りたくて、その人の読んでる本を読む、ということがしばしばあるけどそれです。

田村隆一「帰ってきた旅人」

… ぼくの墓碑銘はきまった 「ぼくの生涯は美しかった」 と鳥語で森の中の石に彫る … 人間の悲惨という輝かしき存在もどこを探したっていない、老いた赤ん坊が 母胎からポトリと落ちて消耗するだけ

田村隆一「1999」

旅先の図書館で詩を読む。それぞれ別の図書館で。