2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

中島らも「今夜、すべてのバーで」

人にドラッグを辞めさせる理由はそれが違法だからというので十分だ、自分はコントロールできてるからとかタバコと大して違わないからとかいう言い訳に怯むな。と話した人のことを久し振りに思い出した。←その人はバッド・トリップまで経験済。結局のところ体…

西尾維新「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」

西尾維新がノベライズすると聞いた時点ではあの冗長な心理戦を書くのに最適な人材だとか思ったが、結局はDEATHNOTEから設定だけを拝借した全く別モノになってしまったようだ。原作が好きで手にとる人にとってはこれは酷。布装幀に銀文字はやめて普通にノベル…

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟(中)〜(下)」

小説というよりは登場人物に仮託したドストエフスキーの告解を聞いてる気分ナリ。ある特定の個人の中にひそむ錯綜した思想の吐露というか…分裂気味な自分の思考をめいっぱい喋りまくるために用意された人物の布陣に見えるのだよ。だからこそ、全編、ストーリ…

「未来」2006年8月号(No.479)

丸山眞男没後10年特集。市村弘正さんの「思考の起点について」がマイベストでした。一本読んでみたくなるよね。 それにしても「私と丸山眞男」みたいなテーマを一般人(筑紫哲也のこと)に書かせることができるってすごいことだ。知的ファッションとして流行…

ジョルジュ・バタイユ「眼球譚(初稿)」

六本木ABCで「死者の書・身毒丸」と同時に購入したのだが、よくもまあこんなケッタイな2冊を選んでしまったものだ。両者とも異常性愛ですか。←まあこういう言い方をするには文学性が高すぎるんだけど。 そして両者とも「物語本編とそれに関する作者の語り」…

折口信夫「死者の書・身毒丸」

戯曲に疎いということをまた思い知らされたんだが、蜷川幸雄が底にした「しんとく丸」は寺山修司と三島由紀夫らしかった。でも折口の「身毒丸」はもちろん「死者の書」も素晴らしくて、地下鉄に揺られながら読んでて何度も乗り過ごした。特徴的な擬音語擬態…