折口信夫「死者の書・身毒丸」



戯曲に疎いということをまた思い知らされたんだが、蜷川幸雄が底にした「しんとく丸」は寺山修司三島由紀夫らしかった。でも折口の「身毒丸」はもちろん「死者の書」も素晴らしくて、地下鉄に揺られながら読んでて何度も乗り過ごした。特徴的な擬音語擬態語で表現された静謐さ、または鮮やかに立ち上る情景の中に、死者の魂と現し身が時空一体となって目の前に現れるようであったよ。