ジョルジュ・バタイユ「眼球譚(初稿)」



六本木ABCで「死者の書身毒丸」と同時に購入したのだが、よくもまあこんなケッタイな2冊を選んでしまったものだ。両者とも異常性愛ですか。←まあこういう言い方をするには文学性が高すぎるんだけど。
そして両者とも「物語本編とそれに関する作者の語り」がセットで収録されている。バタイユは、本編を第一部・作者の語りを第二部として「眼球譚」というひとつの話。第一部を読んで、…性行為の描写のみでこれだけ豊かな話になるなんてすごいよバタイユ!玉子・睾丸・眼球という球体幻想への徹底は反吐が出るくらい気持ち悪くてプラトニズムの球体よりも数倍は皮膚感覚に訴える!…と感動すら覚えたけれど、第二部で、この話を描いたバタイユ自身の意識を掘り下げる、というのがどうしてもいただけなかった。独立した強さのある第一部に対してどうにも蛇足というかウンチクくさい上、いやそれはエロティシズムに限ったことじゃ無いだろがとツッコミたくなる。