ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」



凄いイイ!!!この本の評判もう10年以上前から聞いてたのに、何で今まで読んでなかったんだバカじゃないか?いやだいたいにおいて海外ミステリ探す時に文春文庫の棚はあまり見ない上、この本はペーパーバック・ミステリとしてはボリュームがありすぎたんだけど。とは言っても「ブラック・ダリア」は三文小説でも単なるミステリでもなく、社会性満載のノワール。セックスアンドバイオレンスアンドクールなヤサグレ主人公といった定石ははずさないまま、ロス市警の腐敗や人種差別、ダウンタウンでの売春や暴力を辛辣な眼で描いている。猟奇性以外に於いてはたいしたことのない事件に、蟻地獄にかかったように関係者が滑り落ちて行く感じがナイスです。今秋映画が公開されるなんてとても楽しみだ!