フラナリー・オコナー「賢い血」



偏狭なキリスト教説教師と彼を巡るひとびとの話。
大江健三郎がオコナーを好きなのが腑に落ちた。哀れまれるべき貧困層の滑稽さや、挙動の愚かさが淡々と語られていて、彼らを支配している因果律を読み取ることはとても困難で。救済を求めることに対して誠実であろうという、非常に狭量な視界しかない。


…あなたがたの外にあるものは、あなたがたに場所をあたえることができない。…あなたがたは空を見る必要がない。空がひらいてその後ろにある場所を見せてくれることはないからだ。…