米澤穂信「春期限定いちごタルト事件」



高校に入学したばかりの小鳩くんと小佐内さんが、身近に起こるちょっとした謎(同級生のバッグが紛失した!とか)を解決するミステリ。謎解き能力に優れていることを隠し小市民たらんと苦慮する2人なんだが、解決してく事件がもともと、人の死なない小市民的な出来事だったりする罠。ライトノベル寄りだってことを了解してるのでいろいろ気にせず楽しんだ。複雑に伏線の交錯するミステリに慣れているので頭がグニャグニャに溶けていくような気持ちだが、多少厳密さを欠いてでも謎を解いていくエキサイティングな瞬間を大切に味わえるのが良い。
とは言えこの本創元推理文庫収録だし、作家は2006年のこのミスに選ばれてるし、前から気になってたのです。一応、聞いていた評判はある程度裏付けられたような気はした。読み終わるまでそわそわしてましたから。