W.B. イェイツ 「薔薇」



わたしは接吻をして嘆息つく。
坊やが大人になったなら
坊やの顔が見れなくなり、
きっと、わたしは淋しかろう。

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われは悦んで生を繰り返すものだ、
あらためて、更にまたあらためて。
たとい、盲をめった打ちする盲の、その曚昧の溝の
蛙の雄精卵に落込むのが生なりとしても。

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この世には、ながく企んだ、ささやかな自分の孤独ほど
このましいものは何もないことがわかった。
そんな孤独のなかでは、よしやわたしが妙なことを
口走ったとて、これを顔色に表わさぬほどに、
気のきいた友と一緒に、夜半でも、
坐りつづけていられるのだが。
  「見たは、十五のまぼろしよ、
   まぼろしの下の下なるもの、ぶらさがる上衣一枚」