ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟(上)」



なるほど普遍的なテーマを扱ってるからあまねく人気があるってわけ。金原ひとみさんが(上)読んで感じたらしい程にはツマラナクなかったけど、私の期待がいかんせん過剰で……「!」の頻出するヒステリー会話に辟易したり…召使いごときの来歴はスキップしようかと悩んだり…たかだか2代なのに「カラマーゾフの血」とか言われてもオイオイと思ったり…しましたが。「大審問官」はじめ、物語の流れを分断する形で諸処に展開される神論は、思想書として何世紀にも渡って書かれてきたそれらより明らかに現前的に、ロシアという圧倒的な血流に押されて小説の中心に居座り続けている。