カトリーヌ・アルレー「死の匂い」



怖い怖い怖い怖い、アルレー怖い!
富も美貌も手中にしている高慢な悪女が、自分が操縦しているはずの男の知略に序序に墜ちて破滅(自滅)するまでのストーリー。「わらの女」と基本的な展開は同じなんだけど、何が怖いって、彼女の勝機が削がれて行くにつれ自尊心にほころびが生じて危うく脆くなる過程と、破滅が訪れたときの絶望と錯乱とを、きちんと言葉として描いてしまうのが怖い。女が自信過剰なのに妙に短絡的なところを描き込んでしまうのも冷酷この上ない。ていうかアルレーはこれ17歳で書いたの?何てことだ。


ところでこの本、10月末に行われた神保町ブックフェスティバルの出版社ブースで購入しました。店番してた方々数人が、素でミステリ談義に花を咲かせてるのがホント楽しそうで良いですね。わたしが手にとって無造作にワゴンにポンと返した文庫本をめざとく見つけて、「これ発売当時すごい売れたんだよね」「そうそうウチの親父の本棚にあったよ」「こないだ倉庫行ったらさ、タイトル印字ミスしたのが沢山積み上げてあったの」「ここに持ってくれば良かったよね」アハハ……てオイ、わたしもその文庫本を実は既に持ってるけど落丁してんのよ。どんだけミスしてんだよ…と苦笑。落丁というか、ページが
…320、321、326、327、324、325、322、323、328、329、334、335、332、333、330、331、336、337、342、343、340、341、338、339、344、345、350、351、348、349、346、347、352、353…
という順になってて、ページの番号通りに進んだり戻ったりしないと話がつながらないの。この数字の並び見て、印刷製本の過程でどういうミスが起こったか判る方教えてください。ちなみにウィリアム・カッツの「コパーヘッド」です。