G・ガルシア=マルケス「百年の孤独」



1999年翻訳版で読みました。これはおもしろいです。古事記とか太平記とか平家物語とかの類いの、一族の盛衰・大きな物語が描かれた小説ですが、小説全体の構造が円環をなしていて、読了と共に小説世界までもが一陣の嵐を巻き起こして消失します。いろいろ不親切だなと思うことがあるけれど、例えば章の切れ目が無いのとか登場人物の名前が同じすぎるのとかハナシが長すぎるのとか、あと個人的に言うと指示名詞が分かりにくいのとか、そういうのを考慮してさえ良いと言えます。
著者名ガルシアと小説冒頭の処刑シーンとで、ガルシア=ロルカを10年振りくらいに読みたくなりました。夜はなかなかやってこない、君が来るのを邪魔して、のロルカ。せっかく詩作なのだし多分スペイン語のままでもなんとか理解できるし、…でも良い邦訳本は無いだろうか?とひよってみる。