内澤旬子「センセイの書斎」



人んちの書棚を眺めるのはおもしろい。わたしが眺めているのを、傍ではらはら査定待ちしている持ち主がいるとなおのことおもしろい。ベストセラーを渡り歩くだけのランダム・ウォークもあれば、はっきりとした趣向をもって継続的に本を読んでいるらしい形跡を見せるものもある。知識階級の職種なのにポピュラーな漫画ばかり持っていることを気にしていたり、ずらり揃えた哲学書について内容を質問するなよと身構えていたりする。